エネルギーマネージメント・材料
デバイス技術分科会


背景と調査の重要性


GX(グリーントランスフォーメーション)は、温室効果ガスの排出原因となる化石燃料などのエネルギーから、脱炭素ガスや太陽光、風力、地熱発電といった再生可能エネルギーに転換し、経済社会システムの変革を目指すものであり,地球規模の気候変動を食い止めるため、世界各国でGXに関する取り組みがすすめられている。カーボンニュートラルは温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させることであり,温室効果ガスの排出量自体をゼロにするのではなく、排出量から森林等の吸収量を差し引くことで、温室効果ガスの排出を全体としてゼロを目指すことを意味している。すなわちGXはカーボンニュートラルを実現する取り組みである。またGXは環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)の3つの要素を、投資先の判断材料として取り入れたESG投資の拡大をけん引している。このためGX関連の事業は資金調達がしやすく、市場の競争力も強化できると考えれば、環境保護と経済成長の両立も可能となる。 すなわちGXに対応することで電子情報産業分野の成長も期待できる。
GXでのエネルギー利用は電気が中心となり,デマンドレスポンス等のネガワットだけでなく蓄電装置を用いたマネジメントが行われることになる。電力ネットワークもスマートグリッド化がすすめられ,モビリティにおいては,損失低減・インテリジェント化・安全性向上のために電動化がすすむ。家電・情報通信機器においても,電源効率向上のためにインバータ化がすすみ,小型軽量化のために動作の高周波数化が進む。さらに利便性や安全性の向上のために非接触給電などの有線を用いることのない電力伝送技術が利用されるようになる。エネルギーマネジメントを有効に機能させる手段として5G,6Gなどの次世代情報通信技術との融合も必要となる。
以上のように,GXを実現する基盤技術は,エネルギーマネジメントであり,デバイス・電子材料技術おける技術戦略を策定する上でも,その動向にただ従うだけでなく,リードしていく必要がある。本技術調査では特にエネルギーマネジメントに必要な創エネルギー・蓄電技術や非接触給電技術およびそのデバイス・電子材料技術について,研究開発や標準化を含めた動向を俯瞰するとともに今後必要とされる課題を網羅的に洗い出す。これにより,電子情報産業の技術開発が今後進むべき方向を明らかにし,いち早く製品開発につなげることで,我が国の電子情報産業分野における競争力を確固としたものにする事を目指す。



調査項目



  • 1)エネルギーマネジメントの最適化と標準化
  • 2)創エネルギー・蓄電技術
  • 3)非接触給電技術
  • 4)次世代情報通信技術(5G・6G)との融合
  • 5)モビリティ分野の電動化
  • 6)電子デバイス・半導体技術
  • 7)環境負荷低減と持続可能な資源利用

  • 委員会参加MEMBER

    • シャープ(株)

    • ソニーセミコンダクタソリューションズ(株)
    • 富士通(株)

    • (株)東芝
    • 三菱電機(株)
    • (株)村田製作所


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