新機能イメージングデバイス
および周辺技術分科会

INFORMATION

背景と調査の重要性


ヒトやモノの診断や検査、観察において、対象物の2次元、3次元画像は非常に多くの情報を与えてくれることから、さまざまな像を得るための手段、つまりイメージングデバイスおよびイメージング技術への要求は高まる一方である。代表的な応用例として、病理診断や、インフラ管理、セキュリティ、自動運転などが挙げられるが、人々の生活レベルや環境、ニーズの変化、および科学技術の発展に伴い、高度なイメージング技術が次々に開発されている。

ひと言で、像を得る、といってもその対象や状況は多岐に亘る。例えば、自動運転では、数100m先の物体をリアルタイムで識別するイメージング技術が要求される。遠くを見るという観点では、人工衛星による地球の観察や天体観測もイメージング技術開発の対象である。一方、小さなもののイメージングでは、細菌や細胞レベルの観察から、一分子レベルの画像取得に加え、これらの微小な対象物に対するリルタイム観察や生きたままの観察が可能な技術開発も大きく進展している。その他、可視光では見えないもののイメージング、遮蔽物内に存在するものの非破壊イメージングに対するニーズも高い。

イメージングデバイスの代表格は、撮像素子である。過去2年間の調査で、CMOSイメージセンサに代表される可視カメラに加え、近赤外領域でのイメージセンサや赤外線イメージセンサの技術調査を行った。また、特にセキュリティの分野で注目度の高いTHz帯を用いたイメージングに必要な光源及び撮像装置の調査を行った。今回の調査でも、引き続き撮像素子に関する技術調査を継続する予定であるが、特に、まだ調査対象としていなかった紫外域での撮像素子や、ミリ波領域でのイメージング技術について調査を行いたい。

外からは見えない人体や構造物の内部を観測する技術の進展も著しい。特に健康意識の高まりや高齢化に伴う高度医療技術への期待から、ヒトの体内を撮像するイメージング技術に対するニーズは高い。これまでも光音響イメージングやPETなど、医療応用を目的としたイメージング技術の調査を行ったが、引き続き、医療、健康を目的としたイメージング技術、例えばMRI、CT、内視鏡、OCTといった既に現場で使用されている技術における最新の技術開発動向や、脳波イメージング、脳機能イメージングといった脳に関するイメージング技術の調査を検討している。

遠くにある物体を識別するためのイメージング技術分野では、特に自動運転技術における技術への注目度が高い。車載用LiDARは引き続き高い興味を持って注目していきたいが、その他の技術、例えば車載用ステレオカメラなどについてもその技術開発動向を調査していきたい。また、2019年度に調査を行ったブラックホールの撮像技術には大変高い関心が集まった。今期も宇宙関連のイメージング技術は調査の対象としたい。特に、人工衛星に用いられているイメージング技術の調査を検討している。

科学技術開発に用いられる顕微イメージング技術の進展も目覚ましい。2014年には超解像顕微鏡が、2017年にはクライオ電子顕微鏡がそれぞれノーベル化学賞を受賞した。これらの顕微鏡は特に生化学の分野で用いられる顕微鏡であるが、光の回折限界を超えた像の取得、生きた状態に近い像の取得などを可能にし、その性能に大きな期待が寄せられている。最近では、高真空下でも生きた状態に近い細胞や昆虫などの微細構造を観察可能なSEMや、液中でも高速に像を得られる液浸AFMなども報告されている。これらの、理化学研究開発向けのイメージング技術の調査も行いたい。

電気的なイメージング技術にも注目しておく必要がある。電気インピーダンス計測や静電容量センサを用いたイメージング技術は、近年のフレキシブル・ストレッチャブルエレクトロニクスの進展により、設置の容易性、実装の柔軟性といった特性が付与され、その開発動向が注視される。

このような個別のイメージング技術に加え、最近では、複数の技術を組みわせて有意な情報を取得するマルチモーダルイメージング技術、コンピューテーショナルイメージングによる従来の光学素子では取得困難であった像の取得、AIによる画像解析、といった周辺技術の進展も著しい。本調査ではこれらイメージングに関連する技術領域全体を網羅するような調査を行うとともに、各技術の限界と可能性、開発課題、期待される応用分野、さらには、市場動向に関する情報も含めて調査を行う。


調査項目

  • ・イメージセンサ、CMOSイメージセンサ
  • ・可視域外のイメージングI (紫外、近赤外、赤外、ミリ波、THz)
  • ・可視域外のイメージングII(PET、MRI、CT、ガンマ線イメージング)
  • ・光音響イメージング、光超音波イメージング
  • ・脳波イメージング、脳機能イメージング
  • ・Optical Coherent Tomography (OCT)
  • ・内視鏡
  • ・ハイパースペクトルイメージング
  • ・Light Detection and Ranging (LIDAR)
  • ・ステレオカメラ
  • ・AFM、SEM、超解像顕微鏡・2光子顕微鏡・クライオ電子顕微鏡
  • ・分子イメージング
  • ・増感剤、分子プローブ
  • ・静電容量センサ (非接触イメージング)
  • ・電気インピーダンストモグラフィ
  • ・圧力、歪みマッピング、パッシブ・アクティブマトリックス
  • ・宇宙・人工衛星
  • ・マルチモーダルイメージング
  • ・AI、コンピューテーショナルイメージング

委員会参加MEMBER

  • シャープ(株)
  • ソニーセミコンダクタソリューションズ(株)
  • 日本電気(株)
  • 富士通(株)
  • 三菱電機(株)
  • (株)村田製作所
  • (株)リコー


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