感性センシングと
応用技術分科会


背景と調査の重要性


人々の行動は、最終的には感性(好き・嫌い、快・不快、面白い、すごい、美しい、つらいなど)によって支配されており、消費者・顧客あるいは従業員の感性的な状態や反応は、業種を問わずビジネスの成否を左右する情報となる。もしそれらが客観的データとして得られれば、消費動向を正確に予測することができ、社会全体として無駄がなくかつ満足度の高い資源・エネルギーの分配が可能になる。あるいは個人の内面を自分自身で客観的に把握できれば、健康維持やストレスマネージメント、効率的な学習・訓練やモチベーションの向上などにも役立てることができる。
このような感性のデータ化は、かつてはテクノロジーとして扱うのが困難な課題であったが、その状況は最近10年間で大きく変化している。気付けば人々は日々AIに自らの内面を打ち明け、スマートフォンやウエアラブルのセンサを通して自身の行動履歴や心拍信号、あるいは睡眠のデータをも企業と共有するようになった。感性が捉えどころのない情報であることは今も変わりはないが、感性を推定するためのビッグデータと、そこから感性情報を抽出する計算基盤が大幅に進歩した。また、感性をより直接的に計測するハードウエア技術についても年々進歩してきている。本分科会では、このような感性情報のセンシング技術、およびその活用方法について調査するとともに、それらの技術を社会実装していくための課題について整理する。
確度の高い感性の情報は、上手に利用できればメリットが大きいが、倫理的な問題など、ネガティブな側面についても十分配慮する必要がある。情報システムの側が個人の感性に作用することで、その人の価値観や信条、人格形成にまで影響してしまう可能性がある。そこで本分科会では、AIが人々の感性と結びつくことのポジティブな効果と同時に、ネガティブな可能性についても調査の対象とする。ネガティブな効果を先回って把握しておくことは、感性センシングの新たなニーズの発見にもつながる。
具体的には

  • (a)  感情やストレスの計測技術
  • (b)  個人の細かい行動や表情までをリアルタイムにセンシングする技術
  • (c)  利用者の五感や身体的体験をセンシングし共有する技術
  • (d)  触覚を含む多感覚および身体の運動と感性の関係性の解明
  • (e)\  感性的支援によってモチベーションを高めたり健康に導いたりする技術
  • (f)  感性コミュニケーション
  • (g)  アート、エンターテインメントの可能性を拡大する技術
  • (h)  暗黙知を情報化し共有する技術
  • (i)  感性センシングのデバイス技術
  • (j)  感性インフラストラクチャ
  • (k)  プライバシー保護と感性情報活用のルール

などについて調査する。最終的な出口イメージを共有しながら、 ①デバイス技術の課題、②システム化における課題、③倫理的課題、④標準化への道筋、が明確になるように調査を進める。


委員会参加MEMBER

  • アズビル
  • アルプスアルパイン
  • セイコーフューチャークリエーション
  •    
  • 大日本印刷
  • 東芝
  • パナソニックホールディングス
  • 三菱電機
  • 村田製作所
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