非ノイマン型情報処理へ向けた
デバイス技術分科会
背景と調査の重要性
ノイマン型は、「プロセッサと、アドレスが付いたメモリからなり、プログラムとデータはメモリに格納される」アーキテクチャを指すとされる。ノイマン型をベースにした計算方式が従来の計算機の構成方式の主流であった。しかし、このような計算機は、半導体の微細化の限界が近づいていること、細化による消費電力の削減が望めなくなっていることなどから性能の向上が望めなくなりつつある。
一方、ディープラーニングや組み合わせ最適化問題などの今後重要とされる応用を高速に解ける非ノイマン型の処理方式が注目されている。これには、従来型のデバイス・回路技術を用いながら、特定の用途での性能向上を図るDSA(Domain Specific Architecture) と呼ばれる方式、神経回路の働きを模倣するニューロモーフィックコンピューティング、さらには量子アニーリングや量子コンピューティングなどが含まれ、多種多様である。
本調査では、様々な非ノイマン型コンピューティングの方式について調査し、それぞれの特徴と、材料・デバイス・実装技術に対する要求を明らかにする。また、非ノイマン型コンピューティング方式には非常に多くの種類があり、その性能、実用化時期、適用分野などの特徴は様々である。そこで今年度は、様々な方式を俯瞰して位置づけ等を整理することを目指す。また、情報インフラの中のどこで使われるかを整理し、実用に供するためのシステム構成法やプログラミング等の課題についても調査する。
調査項目
- ・量子アニーリングと量子コンピューティング
- ・イジングモデルに基づくその他の最適化問題向けコンピューティング
- ・ニューロモーフィックコンピューティング
- ・FPGAコンピューティング
- ・GPUコンピューティング
- ・ヘテロジニアスコンピューティングと通信・並列処理
- ・様々な非ノイマン型情報処理技術の概観:適用応用と適用時期
- ・非ノイマン型情報処理の適用場所:データセンターとエッジ
- ・非ノイマン型デバイス向けの材料・周辺部品・実装技術・機器の現状
委員会参加MEMBER
- ソニーグループ(株)
- (株)東芝
- 日本電気(株)
- (株)日立製作所
- 富士通(株)
- 三菱電機(株)
- (株)村田製作所