2005年情報端末関連機器の世界・日本市場規模および需要予測
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T.ディスプレイ
[ 1: 2005年の市場規模 ]
2005年の世界市場は昨年に引き続き液晶モニタの主用途であるデスクトップパソコンが順調に成長(14,633万台,前年比118%)し,加えてCRTモニタから液晶モニタへの移行が急激に進展しつつあることを追い風に,液晶モニタの総出荷台数は,世界市場で前年比154%の10,425万台となった。サイズ別の構成比を見ると15型は減少し,17型および19型が増加し,大型化の傾向が一層顕著となっている。
技術的なトレンドとしては,パソコンのAV化という流れに対応し,動画表示特性の改善など新機能の搭載が上位機種のみならず汎用モデルにおいても進んだ。
一方,国内市場では2005年台数実績554万台,前年比95%と前年を割る結果となった。内訳では世界市場と同様に15型クラスから17型以上へのシフトが進展している。金額ベースでは特に19型以上の大型・高精細モニタの価格下落が進んだことによる市場拡大で2005年2,568億円,前年比97%となり,依然としてマイナス成長は続くものの,2004年の前年比落ち込み分(91%)をいくらか回復する方向へ進んだ。
2005年におけるCRTモニタの世界市場は,パソコン市場全体の拡大を受け,台数で前年比76%の4,534万台となった。今後は世界市場全体として前年比70〜80%レベルで減少傾向が続くものと見られる。一方,国内出荷台数は,前年比13%,6万台強というさらに急速な縮小となった。事実上パソコン市場での需要はほぼゼロとなり,今後残るのは組み込み等特殊用途の領域での使用に限られると見られる。
2005年におけるノートパソコン用液晶ディスプレイの世界市場は,出荷ベースで前年比132%の6,236万台と引き続き好調に推移する一方,国内市場では前年比105%の688万台という結果であった。
[ 2: 2008年までの予測 ]
2008年までを見据えた今後の液晶モニタ市場は,デスクトップパソコン市場の成長を背景に世界市場では前年比110%前後の伸長が続くと見られる。内訳としては15型以下のクラスは今後縮小し,主流は17型・19型になると予測する。構成比では17型は現在60%,19型が19%レベルだが,2008年で両者の構成比はともに40%で拮抗しSXGAが一般的な解像度になると予測する。これらの市場は中国を中心とした新興市場が将来的に牽引するものと期待される。
国内市場では,台数ベースは引き続き前年比100%前後で推移する。パソコン市場そのものは拡大するが,ノートパソコンへのシフトも進むことからモニタとしては横ばいで推移する。サイズ別の構成比は17型クラスが微減傾向で19型以上が徐々に拡大する。いずれは世界市場と同様に17型と19型が市場で拮抗すると見られるが,時期的には世界市場より1年ほど遅れると予想する。また,2008年までの間で見た場合,15型以下が一定のシェアで残るのは国内市場の特徴である。
金額ベースの国内市場は各サイズの単価下落が進む反面,より大型(19型,20型クラス)へシフトする分,市場全体では前年比100%以上を保って推移すると予想される。
技術トレンドとしては,より大容量情報が表示できる広い作業領域へのニーズが高まっていることを受け,20型以上でのワイド画面化,高解像度化が進展する。また,LEDバックライトや新規カラーフィルタ技術による色再現性を改善したパネルの投入が進むと見られる。
ノートパソコン用液晶ディスプレイでは,世界市場は今後も2桁成長が見込まれており,2006年7,563万台(前年比121%),2007年8,646万台(同114%),2008年9,976万台(同115%)と予測する。画面サイズ別では昨年に引き続き15型及び17型のワイド画面搭載のノートパソコンが伸長しており,2005年は15型以上で60%以上を占めている。国内においては,2005年の市場は出荷台数で前年横ばいの688万台となった。今後は世界市場ほどではないものの,前年比104〜107%の堅調な増加が見込まれており,2006年で前年比104%の714万台,2007年で前年比107%の761万台,2008年で106%の807万台と予測している。
サイズ別ではモバイル用の小型パソコンと,AV用途を取り込んだ大型画面のモデルに二分され,機能面では,性能向上を背景にオフィスユーザによるメインマシンとしての利用が拡大すると見られる。また,国内ホームユーザにおいては,ブロードバンド化,無線LANの導入,AV機能を中心とした多機能化により普及に勢いが増しており今後も市場拡大が予想される。
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©JEITA,2006
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