2005年情報端末関連機器の世界・日本市場規模および需要予測
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U.プリンタ
[ 1: 2005年の市場規模 ]
2005年プリンタ世界市場は,堅調な欧米市場の需要に加え,日本市場の景気低迷からの持ち直し,アジア・パシフィック市場の継続的な成長などがあいまった結果,台数では1億2,330万台(前年比108%),金額では5兆7,210億円(前年比106%)と前年を上回る水準で推移した。
ドットマトリックスは,他のプリント方式へのテクノロジーシフトが続くものの,北米や西欧市場の減少傾向の底打ちや中国,その他アジア地区の堅調な動きなどで減少傾向が緩やかとなり,台数で294万台(前年比98%),金額では1,850億円(前年比95%)となり,前年から若干のマイナス傾向は続いている。
2003年度より緩やかな成長を再開したインクジェットは,前年に引き続きインクジェット複合機の急速な拡大の波が北米から西欧,日本その他のアジア市場でも広がってきた。この複合機の大幅な伸長を背景に,2005年合計台数では9,350万台(前年比104%)となった。しかしながら,機器単価の下落傾向は続いており,インクジェットプリンタより単価の高いインクジェット複合機にもその傾向は及んでいる。インクジェット複合機の市場規模拡大を上回る単価下落により,金額は,約1兆6,390億円(前年比98%)と前年割れとなった。
ページプリンタは,モノクロ市場においては新興国における継続成長に加え,北米,欧州市場でのSOHOや個人向けの小型化や印刷速度がアップされた製品がドライブ要因となり市場の伸長が見られた。加えてカラープリンタの市場においては,モノクロプリンタ同様小型化,印刷速度アップされた製品が投入され,さらにSOHOや個人向け市場でも購入可能な低価格の実現により,市場が大きく成長した。ページプリンタ全体では,台数で2,010万台(前年比119%),金額では1兆2,980億円(前年比103%)となり,初めて2,000万台の大台を突破した。ページプリンタ複合機は,台数で671万台(前年比138%),金額ベースで2兆6,000億円(前年比115%)と順調に成長した。
地域別状況をみると,北米市場はカラープリンタの伸びを反映し,521万台(前年比114%),西欧市場も同様にカラー機の市場の大きな伸びで,585万台(前年比113%)と北米市場と並ぶ成長となった。日本市場もカラー機の市場成長が続いたが,モノクロプリンタの台数低下により,107万台(前年比100%)と成長は0%にとどまった。アジア・パシフィック市場(中国を除く)は継続して成長を続け,188万台(前年比118%)となった。中国市場は233万台(前年比126%)と急成長を継続し,前年同様に世界市場の11%を占めている。
[ 2: 2009年までの予測 ]
2002年から回復基調が継続しているプリンタ市場は,今後2009年まで緩やかに成長を続ける。全世界販売台数は2005年に既に1億2,000万台を越え,2009年には1億4,000万台になると予測される。
【減少傾向ながら底堅い需要:ドットマトリックスプリンタ】
ドットマトリックス市場は,昨年の予測と同様に,今後市場を大きくドライブする要因が見当たらない。但し,インクジェットやページプリンタへのテクノロジーシフト進行は否めないものの,他方式に優る保守の容易さ・低ランニングコスト等の特長から新興国中心にプリンタ導入機種としての需要が見込まれること,欧米の成熟市場においてもノンインパクトプリンタでは対応できない用途・業種に根強い需要があることから,台数では2009年まで年率2%程度,金額では年率5%程度の減少で推移していくものと予測する。
【複合機の急成長:インクジェット単機能機/複合機】
インクジェット市場は,ここ数年のダイレクトプリント機や複合機に加え,A4未満のフォト専用プリンタが2004年に入り台頭するなど新たな製品領域を形成する動きが芽生えつつあり注目される。世界的な複合機の伸長と,中国を始めとする新興国地域における低価格機の普及により,インクジェット全体では2007年に1億台を超え,2009年には,1億550万台に達すると予測する。うち複合機は,欧米・日本市場を中心に現在急拡大しているが,その後も高成長を続け,2009年には6,330万台となると予測する。
【本格化するカラー市場:ページプリンタ】
ページプリンタ市場では,今後も緩やかな成長が続き,2009年で2,320万台に達すると予測する。うちモノクロページプリンタ市場は,買い替え需要が主体となる先進地域で緩やかな減少傾向となる一方,成長を続ける中国をはじめとする新興国(BRICs)において市場が急拡大し先進地域の減少分を補う形となり,モノクロページプリンタ全体としては2006年をピークとしてその後マイナス基調に転じると予測する。また,カラーページプリンタ市場は,エントリークラスの製品においては印字速度及び本体サイズがモノクロ機に非常に近くなっていること,また4T製品の速度レンジの拡大に伴う製品のバリエーションの広がりがドライブ要因となり,市場が拡大していく。2009年には719万台(ページプリンタ全体の31%)の規模を占めると予測する。
【パーソナル機・ワークグループ機共に続く安定成長:ページ複合機】
ページ複合機市場は,今後も安定成長を続け2009年で920万台程度の規模になると予測する。モノクロパーソナル複合機ではFAX機能の製品力が相対的に低くなり,小設置面積の特長を活かしコピー機能の利便性を活かしたフラットベッドタイプが伸びる。モノクロワークグループ複合機ではアナログ複写機がほぼ全てデジタル化されることにより市場が堅調に成長する。また,カラーページ複合機はオフィスのカラー化とカラー複写機の低価格化が更に進むことにより,需要が喚起され市場が拡大する。
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©JEITA,2006
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