先端交通システム部会 設立趣意書
1.設置の背景および目的
我が国の人口は、2004年あたりを境に減少に転じ、2015年では1億3千万人、65歳以上の高齢化率は26.67%であり、少子高齢化は今後さらに加速すると言われている。このため街は縮小化(コンパクト化)し、街と街を移動するための新たな手段が必要となる高齢者などの交通弱者の比率は増えていくと予想される。また、労働人口の減少に伴うドライバー不足などが社会問題となってきている。
一方で科学技術分野では、IoT(Internet of Things)やビッグデータ、人工知能(AI)、そして自動走行等の技術は、加速的に進展してきている。そして政府は、このような社会環境の変化に対応し主導するための高度な情報活用による世界に先駆けた「超スマート社会」(Society 5.0)を早期に実現すると計画している。
これまでJEITAでは、カーオーディオ機器とカーナビゲーション機器を扱うカーエレクトロニクス事業委員会、ETC2.0車載器等を扱うITS事業委員会、IT・エレクトロニクス業界からみた自動走行に関する技術について調査研究を行う自動走行システム研究会がそれぞれ独自に活動してきた。
しかし、前述の社会環境や、技術の急速な進展、政府指針への対応、そして、今後社会から求められる次世代都市交通システムの実現にJEITAが一翼を担うためには、これら3組織の連携が必要であるとの認識に至った。
そこで、当協会は、交通システム関連事業を当業界の成長分野として位置づけ、3組織を一元化し、共通認識の醸成と連携を迅速化することにより、他業界等との協創をより一層進めることを目的として、「先端交通システム部会」を新たに設置し、新たな組織体制を構築する。
2.事業の範囲
自動走行システム、車載機器(オーディオ機器、ナビゲーション機器、ETC2.0車載器等)、および関連するサービス等。
3.先端交通システム部会の役割
- 部会下組織での成果、課題の情報共有の促進
- JEITAで検討すべき新たな社会課題が生じた場合、部会下組織への展開
- (2)で該当する組織が無い場合、または、密に合同して活動しなければならない場合の部会下の新組織の立ち上げ。
- 部会下の審議の結果、部会として情報発信が必要な場合の調整及び発信