シーンオリエンテッド
先端実装技術分科会


背景と調査の重要性


電子機器・デバイスが実現する2030年のデジタル社会のイメージとして、昨年の今頃は、DX(Digital Transformation)、Digital Twin、メタバースといった概念が話題となっていた。
2022年暮れ頃に公開されたチャットGPTが火付け役となって、主役は、”生成AI”に置き換わっている。その市場規模は、世界全体で2032年には約21兆円に達すると予測され、大量の知識獲得
は、AIスーパーコンピュータの活用で加速されている。発表が相次ぐAI処理に向けた新MPUでは、チップレットや異種機能集積といった実装技術が差異化の要となっている。特に三次元集積システムは、レガシー半導体と両輪で半導体市場に占める割合が加速的に大きくなる。
チップレット実装を代表とする三次元集積では、デバイス設計、ウエハ前工程と実装をシームレスで俯瞰したDTCO (Design-Technology Co-Optimization)とシステム性能由来の最適化 STCO
(System-Technology Co-Optimization)が半導体開発と製造技術には欠かせない。単一トランジスタの駆動電力から始まり、システム全体の消費電力の削減が、ひいては地球温暖化防止に貢献する。上位概念に位置するSTCOからは、システム内(2.5Dや3Dも含む)の情報伝送エネルギーがこれからの新しい指標になる。情報伝送の媒体は配線であり、体積換算で効率よい高密度配線(High-Dense Connectivity)の作製とコストに裏打ちされた製造技術が今後のカギを握る。
 本調査委員会では、これまで一貫して“モノ、ハードの実装技術”を二つの側面から調査してきた。デジタル化社会で新たな市場拡大が見込まれる業種・分野と、その実現を支えるハードウェア・実装技術:“市場ニーズ対応型ビジネス、サプライチェーン”の調査(トップダウン)と、デバイス・部品の集積化・実装技術により、モジュールの小型化、高性能、高機能化、高エネルギー効率化から生み出される、電子機器の新たな応用分野:“提案型・市場開拓ビジネスモデル”の調査(ボトムアップ)である。デジタル化、脱炭素化、ポスト5G(6G)といった分野における日本(日本企業)の客観的な技術力を、トップダウンとボトムアップの両側面から把握する必要があると考えている。


調査項目


  • 1)実装技術に対するIoT市場ニーズ(IoTが各業種、業態へ与えるインパクト)
  • 2)各種製品(機器、装置、デバイス)における実装技術
  • 3)設計技術(水平分業化した実装工程、全体のデザイン)
  • 4)先端実装技術(材料、プロセス、集積技術)
  • 5)低コスト化に向けた製造技術
  • 6)電子産業強化のための実装技術

委員会参加MEMBER

  • ソニーセミコンダクタソリューションズ(株)

  • 富士通(株)
  • (株)東芝
  • 三菱電機(株)
  • (株)村田製作所



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