部品安全専門委員会電気・電子機器の安全アプリケーションガイドのご紹介

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部品環境専門委員会 電気・電子機器の安全アプリケーションガイドのご紹介

JEITA 電子部品部会 部品安全専門委員会
2022年度主査 小尾 勇(ニチコン株式会社)

近年,電子部品は人々の生活を支えるあらゆる機器で利用されており,家電,産機,情報通信,車載,エネルギー,環境,医療分野など,様々な業種・用途で使用され,使用環境も広範に及んでいます。

部品安全専門委員会ではこのように様々な業種・用途の機器に使用され、使用環境も広範に及ぶ電子部品の安全性及び信頼性技術を維持強化していく取組みを行っており、この「電気・電子機器用部品の安全アプリケーションガイド」は1999年,機器メーカと部品メーカとが双方で総合的に部品の安全性の向上を図ることを目的として初版を発行して以来,時代の背景に合わせ,順次改訂を行ってきたものとなります。

安全アプリケーションガイドの構成について

この「電気・電子機器用部品の安全アプリケーションガイド」は,部品業界の安全に対する共通的な取組みを示すとともに,部品をよく理解した上で,かつ,安全に使用していただくために,推奨事項,事例などを紹介した情報を,機器メーカへ提供するガイドとして重要な役目を担っています。
そしてこのたび,SDGsの国連採択やカーボンニュートラルなど,環境面での社会ニーズや,さらに拡大する電子部品の使用分野や信頼性への期待の高まりを背景に3回目の改訂となるRCR-1001Cを発行いたしました。

RCR-1001C 購入案内
RCR-1001C 閲覧(電子ブック)

本ガイドは部品全体の共通事項を記載しています。各個別部品のガイドは、部品の構成・選定・取扱い方法などを記載して別途発行しておりますので、併用していただくことで、総合的な理解を深めていただけると存じます。
ぜひ、各種電子部品の安全アプリケーションガイドもご覧ください。

目次

【目次】
序文
1 適用範囲
 1.1 一般事項
 1.2 対象部品及び対象規格番号
 1.3 主な対象機器
 1.4 主な対象部門
 1.5 ガイドの構成及び位置付け
2 安全に関する基本的な考え方
3 部品メーカの安全に関する取組み
 3.1 一般事項
 3.2 安全設計
 3.3 安全性の確認及び評価
 3.4 安全性確保及び維持
 3.5 安全規格及びその適合性評価
 3.6 部品における環境配慮設計
 3.7 文書管理
4 部品を安全に使っていただくために
 4.1 一般事項
 4.2 部品をよく理解してもらう背景
 4.3 部品の使われる用途
 4.4 部品の特性を知る手段
5 部品の上手な使い方
 5.1 部品の選び方
 5.2 機器設計上での部品の使い方及び確認事項
  5.2.2 部品の誤った使い方による不具合事例及び注意事項
 5.3 部品の実装での取扱い上の確認事項
 5.4 部品の一般的な取扱い方(包装,輸送,保管など)
6 個別部品の安全アプリケーションガイドの記載内容
 6.1 個別部品ガイドの基本構成
 6.2 個別部品ガイドの記載事項
7 安全規格及び認証制度
 7.1 一般事項
 7.2 国際規格と認証制度
 7.3 日本
 7.4 北米地域
 7.5 欧州地域
 7.6 中国
参考文献

以降、黄色ハイライト部分を抜粋してご紹介します。

適用範囲

【主な対象機器】

家庭用及びそれに類する用途の電気・電子機器,事務機器を含む情報技術機器,電気用品安全法で定める電気用品など

【主な対象部門】

主に部品メーカ及び機器メーカの次の部門
研究開発・設計部門,品質管理・品質保証部門,製造部門,生産技術部門及び購買部門。

安全に関する基本的な考え方

部品の安全性を確保するためには,部品自体での安全性を更に向上させることが最重要事項ですが,機器などの使用用途及び使用環境が,ますます広範囲になっており,部品メーカだけでは,その対応・対策をとることが限界にきているのが実状です。このため,部品業界だけによる安全性確保の活動を行うだけでなく,部品メーカと機器メーカとの設計者が,お互いにより一層協力し合い部品の安全性を最大限に発揮させるとともに,安全性を損なうと予見できる要因を,取り除いていくことが重要です。

部品を安全に使っていただくために

【部品の特性を知る手段】

部品の特性を知るための情報ソース(カタログ,技術資料,納入仕様書など)について,それぞれの特徴(定義,記載重点,取引,形態,留意すべきポイント,入手方法,利用方法)を紹介しています。

項目 カタログ 技術資料
(テクニカルガイド・
アプリケーションノート)
納入仕様書
定義 販売促進物
(商品情報)
部品解説一般
(教科書)
仕様・用途限定
(スペック)
記載
重点
種別・特性 選定法・使用技術 規格・信頼性
取引 契約関係なし 契約関係なし 技術的な取り決め
形態 ・書面(紙カタログ)
・インターネット
・リーフレット
(新部品紹介など)
・電子データ
・書面
・インターネット
・電子データ
・書面
・電子データ

部品の上手な使い方

【部品の誤った使い方による不具合事例及び注意事項】

部品への要求仕様に対して,部品の理解不足のために発生した不具合事例/注意事項を項目ごとに分けてノウハウ集としてまとめています。

仕様 項目
電気的特性 使用電圧,極性,異常電圧,高周波・高調波,大電流,微小電流,熱設計,漏れ電流など
機械的特性 振動(共振)・落下,応力など
安全設計 異常状態,過電流など
信頼性 寿命特性,異常温度,熱衝撃,静電気,ノイズ,過渡現象,塵埃,ガス,気圧など

その他

本ガイドには,上記の他にも
・部品メーカの安全に関する取組み
・個別部品の安全アプリケーションガイドの記載内容
・部品の安全規格と認証制度 
なども記載しており,電子部品に関する広範な知識を得られる内容となっております。

部品メーカ及び電気・電子機器メーカ製品の安全性向上のため,より多くの方々に広くご活用いただければ幸いです。

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