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2002年情報端末関連機器の世界・日本市場規模および需要予測


Y.OCR関連機器/ソフト
 
 OCR関連機器は,現状では市場規模としてはあまり大きくないが,年々着実な技術面での改善が行われており,読み取り可能な帳票枠は広がっている。また,文字認識部のソフトウェア化などにより,市場ニーズにも柔軟に対応出来るようになってきた。各メーカでは,単なるデータエントリ機器としてではなく,ペーパーレス化を加速するためのイメージングシステム連携や文書を一括管理するトータルソリューションシステムとしての提供など,市場規模の拡大に向けて日々努力しており,その積み重ねが今後の伸びにつながっていくと考えられる。
 2002年(2002年1月から12月)のOCR市場は台数(本数)ベースで約21万台,金額ベースで約153億円となっており,前年比でそれぞれ40%増,ほぼ横ばいという結果になった。台数(本数)ベースを分析すると,増加した要因としては,ソフトウェアタイプ(伝票処理用OCR,文書用OCR)の大幅な増加が挙げられる。伝票処理用OCRでは,特定顧客への大量受注などスポット的要因が大きいが,少量エントリ業務を実施している顧客の安価なソフトウェアタイプの導入なども増加の要因の一つであると考える。また,文書用OCRでは,企業を中心にドキュメントの電子化の重要性が再認識されその影響が多大にあったことや,専用の安価なスキャナとともに名刺リーダ等,特定用途での市場が拡大したと考えられる。一方,伝票処理用OCRのデバイスタイプは,景気回復の遅れにより前年に比べ減少した。また,金額ベースを分析すると,金額構成比で大半を占める伝票処理用OCRのデバイスタイプが減少しつつも,ソフトウェアタイプ(伝票処理用OCR,文書用OCR)の大幅な増加により,金額ベース全体ではほぼ横ばいをキープした。
 今後も社会不況の影響が当分の間は続くと考えられ,予測が非常につかみにくい状況ではあるが,業務効率化,経費削減をキーワードとしたデータエントリニーズやドキュメント電子化ニーズは微増ながら拡大していくと予測される。具体的には,2003年までは横ばいが続くものの,それ以降は,台数(本数)/金額ベース共に年率5%前後の伸びとなり,2005年には170億円市場になると予測する。
 なお,認識技術は近年大きく進展を遂げており,最近では,文字認識のみではなく帳票フォーマット認識や図形認識,さらには文書構造理解へと対象範囲は拡大しつつある。これらが認識モジュールとして他パッケージソフトや業務システムへ組み込まれるケースは更に増加し,OCR市場全体を引き上げる要因となり得ると考えられる。これにより,2005年での170億円を大きく上回る結果も期待できる。


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