2002年情報端末関連機器の世界・日本市場規模および需要予測 |
U.プリンタ |
[1] 2002年の市場規模 2002年プリンタ世界市場は、中国を中心とするアジアパシフィック市場で順調な成長をみせたが、先行きの見えない日本市場低迷、回復途上の欧米の消費動向などがあいまった結果、台数では約8,800万台(前年比103%)、金額では約5兆2,000億円(前年比102%)と前年をやや上回る水準で推移した。 縮小傾向の続くドットマトリックスは、他のプリント方式へのテクノロジーシフトが続き、かつ導入の先送り傾向もあり、台数で約320万台(前年比 88%)、金額では約2,200億円(前年比 88%)となった。 2001年大きく前年割れしたインクジェットは、アジアパシフィック市場の好調な推移や北米市場でのインクジェット複合機市場成長加速に支えられ、2002年合計台数では約6,910万台(前年比 103%)となったが、平均単価の下落傾向は続き、金額では約1兆4,400億円(前年比94%)となった。うちインクジェット複合機は約880万台で、台数構成比では全プリンタ市場の1割を占めるまでになった。 ページプリンタは、台数で約1,250万台(前年比 103%)と僅かに成長したが、金額では約1兆1,200億円(前年比 90%)となった。なかでも中国市場は、日本市場に迫る規模に成長した。カラーページプリンタの台数は94万台(前年比 136%)とようやく成長の兆しが見えはじめた。ページ複合機は、台数で約330万台(前年比 109%)、金額では 約2兆4、200億円(前年比 116%)と順調な伸びを示した。 地域別状況をみると、日本市場での台数の落ち込みが最も大きく約740万台(前年比96%)、同様に振るわなかった西欧市場も約2,590万台(前年比98%)となった。一方、北米市場は一応の回復を見せ、約3,060万台(前年比105%)、アジアパシフィック市場は唯一二桁成長を見せ約1,220万台(前年比116%)となった。 [2] 2006年までの予測 2002年に回復基調が見られたプリンタ市場は、今後2006年まで緩やかに成長を続ける。全世界販売台数は2004年に1億台を越え、2006年には1億1000万台弱になると予測される。 <減少傾向ながら底堅い需要:ドットマトリックスプリンタ> ドットマトリックス市場は、今後大きな市場ドライブ要因が見当たらない。インクジェットやページプリンタへのテクノロジーシフト進行は否めないものの、他方式に優る保守の容易さ・低ランニングコスト等の特長から産業振興拡大地域中心にプリンタ導入機種としての需要が見込まれること、欧米の成熟市場においてもノンインパクトプリンタでは対応できない用途・業種に根強い需要があることから、製品単価の大幅な下落は無く、台数では一桁台後半の減少傾向が続くものとみられる。 <新たな付加価値・新たな市場成長段階へ:インクジェットプリンタ/複合機> インクジェット市場は、2003年全世界で複合機含めて約7,480万台(うちプリンタ約6,370万台)と成長する見通しである。需要回復の兆しの中、小型・省電力などインクジェット技術の特長を活かした新たな用途提案・付加価値カテゴリ形成やPC周辺機器の枠を越えた分野への水平展開の動きが活発で、中でも中高価格帯の複合機シフトやダイレクトプリント機の導入の本格化は、全般的な製品単価下落による裾野拡大と合わせて市場のドライブ要因となっている。方式全体では今後一桁台半ば〜後半の成長を続け2006年に約8,800万台と予測する。うち複合機は、欧米・日本市場を中心に二桁台の大幅な伸びを続け、2006年には1,800万台を超え、インクジェット市場全体の2割強を占める規模に達すると予測する。 <本格化するカラー市場:ページプリンタ> ページプリンタ市場では、今後も緩やかな成長が続き、2006年で約1,500万台に達すると予測する。うちモノクロページプリンタ市場は、買い替え需要が主体となる先進地域で緩やかな減少傾向となる一方で、大きな成長が期待される中国市場が先進地域の減少分を補うため、モノクロページプリンタ全体としては微増傾向が続くとみられる。また、カラーページプリンタ市場は、モノクロページプリンタと同等の機能・性能やモノクロページプリンタに迫る価格帯の製品が加わり、モノクロからの置き換えが徐々に進み、着実な成長を続ける。2006年には約280万台(モノクロとカラーを合わせたページプリンタ全体の約19%)の規模を占めると予測する。 <パーソナル機・ワークグループ機共に続く安定成長:ページ複合機> ページ複合機市場は、今後も安定成長を続け2006年で約410万台程度の規模になると予測する。モノクロパーソナル複合機ではファックス機能に代わりコピー機能を強化したフラットベッドタイプが伸び、モノクロワークグループ複合機ではプリンタパフォーマンス向上に伴うアナログ複写機からの置き換えがA3機を中心に進む一方、複合機分野でもカラー化が進み規模は小さいながら二桁台の成長が期待される。 T.ディスプレイ / U.プリンタ / V.固定磁気ディスク装置(HDD) / W.光ディスク装置 / X.イメージスキャナ / Y.OCR関連機器・ソフト / ◆2002年の市場規模◆ / ◆2005年の市場規模予測◆ (c)Copyright,JEITA,2003 |