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2006年情報端末関連機器の世界・日本市場規模および需要予測
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W.光ディスク装置

[ 1: 2006年の市場規模 ]

 2006年の光ディスク装置の世界市場は2億9,148万台(対前年比109%)の出荷となり前年に引き続き製品の種別構成が追記書換型DVD装置に収斂しCD-ROM装置,CD-R/RW装置の退潮がさらに加速した。
 追記書換型DVD装置は世界市場で2006年に1億5,310万台(対前年比150%)と前年に引き続き成長を見せた。他の光ディスク装置から追記書換型DVD装置への収斂とも言えるこの傾向は次世代の青紫色レーザを用いた光ディスク装置が本格的に立ち上がるまで今後数年に渡り継続する。
 光ディスク業界はこれまで基本的に成長過程を歩んでおり,生産台数という局面からみると年間3億台を目前にしている。しかし,台数増とドライブメーカ間の生産規模シェア獲得競争を背景としてドライブ販売単価の低下が継続し,総売り上げは初めて前年を下回った。その結果,事業利益の確保が難しくなってきており撤退メーカの増加,メーカ間の合従連衡が進んでいる。リーディングドライブメーカと下位メーカの格差の拡大は今後も継続しメーカ数は今後7社程度に絞られてゆくものと考える。 追記書換型DVD装置の機能の成熟化はこの一年間さらに進み記録性能はDVD-RAMの記録スピードが12倍速,DVD±Rの記録スピードが規格数値を上回り18倍速の極限にも達している。
 8cmDVDディスクを扱うDVDカムコーダも複数のメーカより市場導入され,パソコンでの再生や編集できる環境も整いつつある。ユーザに記録したディスクのデータ内容をより分かりやすくする機能としてメディアレーベル面に直接光で印刷できる装置やDVDメディアが導入された。さらに今後は,ネットワークの普及に伴いダウンロード可能なコンテンツの記録再生にDVDが使われる世界が到来する兆しもあり記録型DVD装置へ様々な付加価値を加える動きが今後も見られよう。
 また台数は少ないながらも青紫色レーザを用いた再生,あるいは記録再生装置を搭載したハイエンドPCがコンシューマ用途で登場した。高精細映像の再生,編集という新しいアプリケーションを求めるPCの胎動が始まった年として意義深い。


[ 2: 2009年までの予測 ]

 2006年から2009年にかけ光ディスク装置は世界市場でこれまでの二桁の成長から一桁へスローダウンするものの緩やかに拡大が継続する。
 2009年に世界市場で3億3,270万台(対2006年比114%)と予測した。2006年以降も追記書換型DVD装置への収斂が継続し同装置の台数構成比は世界市場で53%(2006年)から70%(2009年)へ拡大が継続する。この間,他の光ディスク装置の多くは減少傾向を示す。
 追記書換型DVD装置はそのキラーアプリである,動画アーカイブとその配布の分野で継続的な活躍が期待できる。また同装置は再生系記録系それぞれの装置が分担していた複数の機能を一台に包括する側面も併せ持ち,それが成熟することにより他の光ディスク装置を置き換えてゆく。
 2009年まで追記書換型DVD装置の隆盛は継続するが,今後ネットワークの高速化や地上デジタル放送の充実,高精細映像化が世界規模で進展を見せる。この新しい環境で光ディスク装置に求められるものは高精細映像を高画質で再生,または長時間記録である。ここに青紫色レーザを搭載したパソコン用光ディスク装置の需要が2007年頃に伸び始め,2009年に4,030万台の規模に駆け上がると予測する。
 光ディスク装置はパソコンの周辺機器であり,HDDの大容量化,CPUの高速化に伴ってデータのバックアップや配布,長期保存などの用途で他の記録媒体とともに共存し今後も活躍するであろう。



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