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液晶材料について
液晶ディスプレイに使用される液晶材料は、液体と結晶の両方の性質をもった有機化合物です。必要な特性を得るために、通常10〜20種の化合物を混合させて使います。使用される液晶材料は、液晶材料メーカーにおいて、毒性の代表試験である経口急毒性試験と変異厳正試験の代表試験であるAmes testにより安全性が確認された化合物だけが市場に出されています。
化学物質の毒性を評価する手段として用いられる急性毒性は、その物質をラットに経口投与したとき、50%のラットが死ぬ量としてLD50(単位:mg/kg体重)という数値で表され、この値が小さいほど毒性が強くなります。下図に、私たちの身近にあるものと液晶材料の急性毒性値LD50を比較して示します。
液晶の急性毒性値(LD50)
- ◆液晶パネル中の液晶材料
- 下図に示すように、液晶パネルの構造は、2枚のガラス基板の間に液晶層が挟まれたサンドイッチ状になっています。ここでの液晶の厚さは、約5μm
(1μmは、1000分の1mm)と非常に薄いため、使われている液晶の量もごく僅かです。例えば、ディスプレイの画面サイズが30cm(12型)では約50mg、38cm(15型)でも約350mgしか含まれていません。このため、液晶パネルの構成材料の重量比率としては、ガラスが90%近くを占め、液晶材料は約0.1%を占めるに過ぎません。
このように液晶層は非常に薄いため、もしガラスが割れても、表面張力のため破損部より液晶が流れ出すことはありませんが、万一、液晶材料が手などに付着した場合は、通常の石鹸で洗い流してください。
液晶パネルの断面図例